PlayLoud!!

Since1997

100円2人プレイの世界 / マリオブラザーズ / FC

 100円で2人同時プレイができる。それがどれだけ画期的だったか。

 
 当時の2人プレイと言えば、1プレイヤー側と2プレイヤー側が交代制でゲームを遊ぶシステムがほとんどで、1人が遊んでいる間は、テーブル筐体の逆側で逆さの画面内で繰り広げられる友人のプレイをひたすら眺めているだけだったのだ。それが、マリオブラザーズでは100円を入れれば2人で同時に遊ぶことができたのだ。それだけで画期的なのに、マリオブラザーズは2人で協力して敵を倒すことができる、当時としては実に新鮮なゲームだったのだ。
 
 後年、この1クレジットで2人遊べるという設定は、実はDIPスイッチの設定で切り替えることができるということを知った。気前いい設定は、ゲームセンターの粋なはからいだったというわけだ。当時ゲームセンターは千客万来。多くの店が1ゲーム50円設定で集客を競っていたわけだが、そう思うと、マリオブラザーズというゲームの1クレジット2人プレイのなんと罪なことか。設定で1人1クレジットに変更できるとは言え、そんなことしたら誰もプレイしなくなってしまうのは目に見えている。実際、僕の覚えている限りでは、1クレジット1人プレイの設定を採用しているゲーセンはなかった。都会ではそういう高級(?)ゲーセンもあったのだろうか。
 
 それは、さておきファミコン用である。もちろん2人同時プレイはアーケード版そのまま。新敵登場のデモが省略されたり、火の玉のキャラが小さかったり、多少の差異はあったものの、おおむね良好な移植だった。ファミコンに標準装備された2つのコントローラーを活用できる、新ハード初期のソフトとしては極めて強力なタイトルだったといえる。