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2人用麻雀というアレンジの妙 / FC

 ファミコンで麻雀ゲームは数多くリリースされていたが、一番最初に登場したのが任天堂の『麻雀』である。

 
 ゲームセンターに、『ジャンピューター』というゲームがあったが、これはテーブル筐体でのプレイを想定して、本来4人で卓を囲む麻雀を2人用にアレンジしたものである。

 ファミコンの『麻雀』も、これに倣ってか、対面と一騎打ちで対戦する2人用の麻雀スタイルである。もちろん、自分の手牌を相手に見せるとゲームにならない麻雀の特性上、コンピュータとの対戦モードしか存在しない。
 
 この2人用麻雀というアレンジは、実にコンピュータゲームとの親和性がよいらしく、その後もゲームセンターの脱衣麻雀を中心に家庭用でも何本も2人用麻雀が登場している。本物の麻雀で遊んだことのある人ならわかることだが、4人打ち麻雀というのは、結構な時間を要する。それが2人で打つだけで、圧倒的にお手軽に遊べるゲームへと変化するのである。もちろんツモ数が全然少ないので、もしかすると大きい手をねらえなくて面白くない(麻雀わからない人全然意味不明の話でごめん)という意見もあるかもしれない。でも、家庭用で遊ぶにしても、ゲームセンターならなおのこと、短時間でプレイできることには大きなメリットがあるのだ。
 
 ファミコンに登場した『麻雀』は、ファミコン初の麻雀ゲームであったにも関わらず、無敵とも言えるお手軽さを兼ね備えていて、ゲーム機用の麻雀としては実に正しいスタイルとして多くの人に受け入れられたのである。しかも、ファミコンの非力なCPUでありながら、それなりに高速に打牌してくれるので、サクサクと打てるのがありがたい。1プレイの時間が短いのに、続けて遊んで結局多くの時間をこのゲームに費やしてしまうという、一見して矛盾した減少が起きてしまうハマりソフトだったのである。低解像度なファミコンのグラフィックながら美しく描かれ、視認性に優れた麻雀牌も、当時としては素晴らしかった。(実のところ六索と九索はブラウン管テレビでは見分けにくいのだが)
 
 ちなみに上級を選択すると、役ができていない状態で上がろうとすると『チョンボ』になってしまう硬派な一面も備えているゲームであった。