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暗算が得意になるゲーム? / ドンキーコングJR.の算数遊び / FC

 子供の頃、道行く車のナンバープレートを眺めながら、その数字を足したり掛けたりしていた。

 
 そんな遊びをしていたので、ドンキーコングJR.の算数遊びをプレイしたとき、その面白さがすぐに理解できた。

 与えられた数字を四則演算で加工し、ドンキーコングが掲げた目標の数値に一致させる。それをいかに素早く行うかが、このゲームの肝である。1回の計算で使える数字は、画面上の蔦に配置された1桁の数字のみであるため、効率よく計算する必要があるのだ。
 
 例えば、370という目標が掲げられ、自分に与えられた数字が150だったらどうすればよいのか。150÷2=75、75-1=74、74×5=370といった感じだろうか。そんな感じで『効率よい計算』を考えるのが、このゲームの楽しさである。アクションゲームの体裁をとってはいるが、極めてパズル的な楽しみのゲームだ。もちろん力技でひたすら足し算を繰り返して目的の数値に近づける方法もある。しかし、それでは計算ゲームが一気に作業と化してつまらないのである。あくまで、華麗に計算を組み合わせ、少ない手数で目標数値を達成するのが、このゲームの面白さであろう。
 
 しかし、計算が苦手だと、その数字あそびに面白さは見いだせない。実に地味で面白みのないゲームとなってしまうのが本作である。当初ファミコンが子供向けゲーム機だったことを考えると、このゲームの楽しみ方と、ユーザー層とのマッチングはイマイチだったのかもしれない。(大人だから面白いとも限らないのだけど)