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ポパイ / FC

 これも先行してアーケードで出ていたタイトルの移植だ。

 
 ポパイは、ご存知アメリカ生まれのマンガ/アニメのキャラクタ。パイプをくわえた水兵が、ほうれん草を食べてパワーアップするあれだ。今の時代にはあまりメジャーではないのかも。
 
 任天堂のポパイは、そのアニメのキャラクタをシンプルなドットで実に巧みに再現している。ポパイ、オリーブ、ブルート等の登場人物もそれぞれに、それっぽい見た目だし、動きもなかなかツボを抑えていて、見ているだけで楽しい。3面構成のあっさりしたゲームデザインで、これを何回もループするだけのゲームであるが、各面とも軽快なBGMと、ちょっとした得点を稼ぎたくなるギミックを備えていて、熱中して遊べるようになっている。
 
 秀逸なのは、ポパイというキャラクタの売りでもある『ほうれん草を食べることでパワーアップする』をゲーム中でも再現していることだ。画面内に配置されたほうれん草を取ることで、アップテンポなポパイのテーマが2フレーズだけ演奏され、その間にブルートや他の敵キャラを倒すことができるというわけだ。要するにパックマンのパワーエサと同じなのだが、BGMとキャラクタの動きだけで、独自感を演出しているのは見事。これが楽しくて、同じ面を何周もプレイしてハイスコアを目指してしまったものだ。
 
 ポパイはキャラクタを使ったゲームではあるが、それが過不足なくゲームに生かされている稀有な例ではないだろうか。