FIRE DOWN UNDER / RIOT
今さらアルバムレビューのFIRE DOWN UNDERである。本作のリリースは81年。バンドにとって3枚目のアルバムだ。
なんとラウドパーク16では、FIRE DOWN UNDERリリース時に在籍していたギタリスト、リック・ヴェンチュラを招いての演奏になるという情報が。ラウドパークはやらかしてばかりで評判の悪いクリエイティブマンだが、これはプロモートがんばった。(まあ、昨年のアメリカツアーでは初期のメンバーであるL.A.クヴァリスも帯同していたようだが)
【RIOT “Fire Down Under”完全再現+α!】
— LOUD PARK (@loud_park) 2016年9月26日
LOUD PARK で2回目の出演を果たすRIOTがなんとギタリストにRick Venturaを加えて来日!アルバム”Fire Down Under”を完全再現します!https://t.co/bna5R7W3k7 pic.twitter.com/92oF2cQSrN
ぼくにとってRIOTは、THUNDERSTEELであり、NIGHTBREAKERであるという、いかにもにわかファンっぷりをここでカミングアウトしてしまうのだが、とにかくリアルタイムで聞いていたのがその辺りなので仕方ない。
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ついでに言えば、その当時はFIRE DOWN UNDERとかRESTLESS BREEDなどは、CDが店頭に無く、昔のRIOTを聞こうにも聞けない状態だったのだ。だから、RIOTと言えば"Thundersteel"だし、初期RIOTと言えば"Warrior"なのだ。しかし、前述したとおりラウドパークでFIRE DOWN UNDERの完全再現と聞いては、しっかり聞き込むしかない。これまでまったく聞いてなかったわけではないが、少し腰を据えてこのアルバムを聞いてみた。(ネットの定額音楽聴き放題サービスは本当に便利である)
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アルバムのオープニングを飾る"Swords and Tequila"は、IRON MAIDENの"2 Minutes to Midnight"を彷彿とさせる切れ味鋭いリフで、81年にこのサウンドを作り上げていたマーク・リアリのメタリックな感性に驚かされる。そして、続くタイトル曲"Fire Down Under"のシンプルな中にさり気ない哀愁とスピード感が同居した傑作で、この2曲でメタルファン的にはがっちり心をつかまれてしまう。
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叙情的なアルペジオからキャッチーに展開するメロディが耳に馴染む"Outlaw"はその後のRIOTのドラマティック路線の布石と考えて間違いない。"Altar Of The King"は、メロウなインストパートからシャッフルのリズムで切々と歌い上げるこれまた劇的な展開のナンバー。そして終盤に来て再びスピード感あふれる"Run for Your Life"を配置した構成は見事。ライブで歌えるメロディアスなサビが印象的な曲である。
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聞けば聞くほど、シンプルさの中に秘められた湿っぽい哀愁と、男らしい硬質なリフのコンビネーションが、英国ハードロックを思い起こさせるバンド。こういうところが、アメリカのバンドらしからぬ、という評価を受ける所以であろう。
RIOTはメンバーチェンジが多く、音楽的にも様変わりしてきているバンドだけに、どうしてもサウンドに一貫性が無いきらいはある。その上、バンドのアイデンティティの最後の砦でもあったマーク・リアリが他界してからは、単なる『懐メロバンド』などと揶揄されることもあった。しかし、その時代ごとに彼らの作ってきた音楽は、まさしくヘヴィメタルとして本物であったし、その遺志を継いで残ったメンバーがかつての名曲を演奏し、それが今でもライブで聞けることはファンとして素直に嬉しいことだ。オリジナルが一番強いのは当たり前。だがしかし、ここはないものねだりをしないで、新しいRIOTによる、名曲の数々を楽しもうではないかと思う。
ちなみに、現ヴォーカルのトッド・マイケル・ホールは、"Thundersteel"をオリジナルキーで歌いこなせる強者だ。弥が上にも期待が高まるではないか。
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トッド・マイケル・ホールの所属するバンドREVERENCEを追いかけるのもありだ。
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- アーティスト: REVERENCE
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