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BURN / DEEP PURPLE

紫の炎!
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IN ROCKからわずか4年。ヴォーカルがイアン・ギランからデヴィッド・カヴァデイルに替わり、さらにハードロックの様式美として完成されたDEEP PURPLE。
 
今さら"Burn"の話をしても、もはや手垢の付いたハードロックの傑作曲と思われるかもしれない、それでもこの曲について言及するとなると、その凄まじいまで完成度に触れずにはいられない。実を言えば、ぼく自身は最初IN ROCKでピンと来ない部分もあったのだが、この"Burn"には一発で打ちのめされた。そういう個人的な思いも少なからずあるのだ。
 
今やおなじみとなったリッチーのリフで幕を開けるアルバム。そしてシャウト型のイアン・ギランとは違う、もっと艶っぽさと埃っぽさを伴った(その後のホワイトスネイクともまた違った歌い方の)ヴォーカルのデヴィッド・カヴァデイル、クラシカルでスピード感を併せ持つジョン・ロードのキーボード、これらが渾然一体となってハードロックのひとつの様式を作り上げた名曲が"Burn"だ。デヴィッド・カヴァデイルは、後のインタビューで「全員が交代で歌い、交代でソロを演奏する、くだらない曲」などと揶揄していたが、最近はそのデヴィッド自身も"Burn"やってくれたりするので、本人の気持ちはどうあれ、名曲であることは否定できまい。
 
書いていれば、1曲だけで文章があふれてしまいそうだが、アルバム全体を支配する雰囲気もイアン・ギラン時代とは一変、デヴィッド・カヴァデイルらしいファンキーな感覚が取り入れられており、そのバランスと緊張感が見事な音作りを成功させている。しかし、結果的にこの緊張感がその後のリッチー脱退を招く結果ともなるのだが、それはまた別の話だ。
 
リッチーらしいブルーズの"Mistreated"はデヴィッド・カヴァデイルじゃないと歌えない傑作。
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