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プレデター

どんなにB級と言われようとも大好きな映画。ブルーレイで視聴してみた。
そもそも、初めて見たときにまったく予備知識がなかったので、ベトナム戦争か何かの映画(実際はベトナムじゃなくて南米だけど)かと思っていたのだ。
頻繁に現れるサーモグラフィ効果の画面に『これはどんな演出なんだろう?』と微かな疑問を感じながらも、皮を剥いだ人間を木から吊すというゲリラ兵の残酷なやり口や、味方を欺いて極秘の任務に駆り出す主人公の旧友の姿に『う〜ん、これは根の深い政治問題を伴った戦争映画だなぁ』と甚だしい勘違いをしていたのも今となってはいい思い出だ。
映画のノリとしては完全にB級なのだが、それでいてあっという間に死んでいく特殊部隊の面々のキャラがしっかり立っているのも見逃せない。だからこそ普通のミリタリー映画な序盤も楽しく見れるのだ。
で、人質の少女を伴って行動する部隊を見ながら、『きっとラストはこの少女と心の交流が生まれつつも国家間の対立はそれを許さず悲惨な結末を迎える〜って結び方だろう』とか思っていたりして。(注:完全な勘違い)
が、しかし、最初の犠牲者が出てから展開は一変!
『ちょww今の見えているけど見えない敵は何!?wwww』
『いや、今絶対にレーザー撃ってたって。なんか目も光っているんですけど』
『もしかして敵は人間じゃない!?』
『てか、これ何の映画だよwwwww』
まぁ、そんな感じで一気にこの映画に引き込まれたわけだ。予備知識なしの極めて公平な立場から感想を言わせてもらえば、実に魅力的な展開で観客の意表を突く、素晴らしい映画と言わざるを得ない(笑)
プレデター光学迷彩も、目撃者がいながら、それを見た者が『何を見たのかわからない』というミステリアスな供述を生み出す仕掛けとして実にうまく機能している。ホラー映画ではないので観客には敵の正体もある程度わかってきていながら、この辺りの特殊部隊の焦りの心理を描写する演出は巧妙だ。最終的に、序盤から繰り返し見せてきたサーモグラフィ効果が、主人公に勝利をもたらすきっかけになるというギミックもよくできていて感心させられる。
総じて、B級を自覚して冗長なシーンを一切排除した作りがエンターテインメントだけを凝縮した作品として成功した所以かと。

さて、ブルーレイの映像の方だが、実はDVDも持っているので(笑)比較してみると、当然解像感がアップしていて特に人物の輪郭などははっきりと硬質な感じで美しく表現されている。しかし、全編通してみると、どうしてもざらついてノイジーな部分が混入しているのが気になる。それがシャープな映像と落差が大きくて目立ってしまうのが残念。とは言え、プレデターなんてB級作品がこうやって高解像度で甦るのは嬉しい。いや、これだけ繰り返しDVDでリリースされた挙げ句のブルーレイ化ってことはやっぱり人気あるってことだな。うんうん。