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1984年のピンボール / FC

 ファミコンピンボールが遊べる!

 
 …などと単純に喜ばないのがピンボールファンである。

 1984年当時、ゲームセンターには結構な数のピンボールが設置されていた。ゲーセンに足繁く通っていた僕も、ビデオゲームはもちろん、ときにはピンボールで遊ぶ程度にはピンボールが好きだったのだ。その頃よく遊んだピンボールと言えば、Haunted House('82 Gottlieb)、Xenon('80 Bally)、Black Knight('80 Williams)辺りだろうか。皮肉にも海の向こうではピンボール人気に陰りが見え始めた頃だ。
 
 ファミコン用ソフトのピンボールは、その頃のピンボール台と比較しても、いい意味でファミコンらしく、のんびりとした画面が印象的である。かわいらしいキャラクタと、おっとりしたボールの動き。しかも、フィールドを上下に分けて画面切り替えで表現しているおかげで、なかなかミスもなく、長く遊べる非常に緩やかなゲームだった。

 
 その後、1985年にはWilliamsからHigh Speedという名機が登場してくるわけだが、そういったアグレッシブな実機ピンボールとは別の世界で、ファミコンピンボールはマイペースな任天堂ピンボールの世界を作り出していたのである。まったく実機の世界と張り合おうとせず、独自の楽しみ方を提供してくれていたファミコンピンボール、たまにのんびりと遊びたいときに取り出してきてプレイするゲームだった。