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野球ゲームのエッセンス / ベースボール / FC

 ファミコン最初の野球ゲームである。

 
 後に野球ゲームは数多くリリースされることになるが、ファミコンのベースボールは野球ゲーム第一弾としては、極めて完成度が高い。
 
 家庭用テレビを利用した狭い画面で野球ゲームを成立させるのはなかなか難しいのかもしれないが、ベースボールでは、内野画面と外野画面を切り替えることで、その狭さを感じさせずに遊べるつくりになっている。打球が伸びて画面が切り替わると、ホームランを打たれたのではないかとひやひやしてしまう。本来は画面の狭さを解決するための画面切り替えが、打者の打撃に対する反応に結びつき、プレイヤーに新たな緊張感と興奮をもたらす結果になっているのだ。

 
 もっとも、この画面切り替えを持つ野球ゲームはたくさん存在するので、今となっては取り立てて珍しいものではないかもしれないが、少なくとも、ファミコン世代にとっては、野球ゲームでの画面切り替わりは、緊張感を抱く要因となっていることに違いはないだろう。