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DINNER AT THE RITZ / CITY BOY

 シティボーイズと言えば大竹まこと、斉木しげる、きたろうを思い出すが、もちろんそうではない。単数形のCITY BOYだ。
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 アルバムのタイトルがDINNER AT THE RITZである。RITZと言えば、ホテルリッツカールトンを思い出すぐらい発想が貧相なぼくである。リッツカールトンのように豪華なディナーをぶち壊したかのようなジャケットにロックの意識を感じる。
 
 しかし、サウンドの方は豪華さをぶち壊すどころか、優雅なコーラスを多用しつつ、ポップでわかりやすく、しかも単調に陥らない聞かせる曲展開が楽しめる、実に多様な要素を持った贅沢な仕上がりである。こじんまりとコンパクトな曲作りは、ともすると同時代のビッグバンドと比較して地味な印象を受けるかもしれないが、決して飽きることのない佳曲が目白押しで、こういうのをいいバンドって言うんだろうなと感じさせる。
 
 ちょっと枯れたギターの音と、豊かな和声で展開させるコーラス。そして十分にハードロックしているリフを聞いていると、どうしてもQUEENを思い出さずにはいられない。おそらく、10ccやQUEENのような、耳あたりの良い歌メロでハードポップしていたバンドの影に隠れて、あまり目立った存在にはなり得なかったのかもしれないのだが、どうしてなかなか魅力的で、実力はバンドの貫禄充分じゃないか。
 
 アルバムのラストに控える"State Secrets"の次々と表情を変える曲の構成は、なんとも聴き応えあって、単なるマイナーバンドとして終わらせるには惜しい存在だ。
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