PlayLoud!!

Since1997

バイオハザード5再評価

PS4用のバイオハザード4と5がダウンロード販売されているので買ってみた。(6も売っていますが…)

 
 もちろん、4も5も過去の機種で散々プレイ済み。

 今回、久々にしかも立て続けに2作をプレイしてみて、その違いとそれぞれのよさが再確認できた。
 
 初めてバイオハザード4をプレイしたのはゲームキューブだった。昔から洋ゲーかぶれで3Dゲームに憧れを持っていたぼくは、三人称視点で繰り広げられるレオンの痛快アクションの虜となり、「これだよ、これ!こういうゲームやりたかったんだよ!」てな感じでいっぺんにその魅力に取り憑かれてしまった。
 
 しかし、4の印象があまりに強すぎたために、バイオハザード5についてはまったく柔軟に受け入れることができなかったのもまた事実である。特に同じチャプターを何回もやり直し、繰り返しお金を稼ぐことができたり、アイテムの取り直しが可能だったりするシステムに、言ってみればRPG的な「レベル上げれば誰でもクリアできる」みたいな印象を受けてしまい、それ故に『バイオハザード5はヌルいゲーム』という間違った評価を下してしまっていたのだ。
 
 もちろん、5のちょっと親切なゲームシステムが、4の反省の上に立っていることは十分理解できる。エンディングまでの長い道のりをひたすら進むだけの4では、弾薬消費のマネジメントを間違えると、難易度の高い終盤であっけなく行き詰まってしまうこともある。それを考えると、各チャプターをやり直しできる5のシステムは、単に親切というだけではなく、ゲームを最後まで遊び切るモチベーションにまで作用する重要なファクターである。(もっとも4を実際にプレイしてみると実に絶妙なバランス調整で、ぎりぎり弾切れにならず、かつ緊張感持って最後まで遊べるのだが)
 
 今回バイオハザード4を、少々なまった腕で息切れしつつもクリアし、いざ5にとりかかってみると「弾使いすぎたから今のボスやり直そう」「お宝取り忘れたからちょっと戻ろう」「ボス強いから少しお金貯めて武器を強化した方が楽だな」等々、5で改良されたゲームシステムに頼りっぱなしの自分に気づく。発売当時の初回プレイでは、どの程度が弾薬使い過ぎかわからないし、お宝がどこに隠れているかも知らないし、さらに言えば実績解除(またはトロフィー獲得)もまったく意識していないプレイだったために、過去にプレイしたチャプターに戻ることにあまり意味を見出せなかった。それが今では、バイオハザード5の全貌を知っているからこそ、適切にチャプターセレクト機能を活用できるようになったのである。(発売当時はやり直すより先に進みたかったしね)これこそ必然性のもとに搭載されたやりこみ機能であろう。
 
 人間現金なもので、そう思ってプレイすると俄然面白さが増してくる。「おお、バイオハザード5のやり直しシステムのおかげで、途中で挫折することなく、隅々までゲームを楽しむことができるではないか!」なんて感激したとしても、それは決して誇張ではない。気がつけば9月の3連休をひたすらバイオハザード5に費やしてしまった。しかも、レオンのキャラクターのみ(主に鬱陶しい前髪)が突出して魅力的だった4に比べて、5にはシェバ・アローマという美人パートナーや宿敵ウェスカー、かつての仲間であるジル・バレンタインなど、キャラの立った人物が登場して物語を盛り上げてくれる。ゲームさえ面白ければストーリーにはさほど重きを置かないぼくでも、主要人物と戦闘になる終盤のボス戦は血湧き肉躍る体験をさせていただいたというわけである。
 
 それじゃあ、5の魅力再発見で4の方が面白くなくなってしまったのかと言えば、そんなことはまったくなく、後戻りできないからこそ生まれる緊張感は健在で、それこそが4の魅力であることに変わりはない。相変わらず最初から最後までスリルある戦いを楽しませてもらえた。要するに、4と5は同じバイオハザードシリーズで、しかも似たような三人称視点を持ったゲームであるため、バイオハザードシリーズのファンとしては同じ文脈で受け止めてしまっていたのだが、これは完全にぼくの誤謬であったということだ。バイオハザード4と5はそれぞれに異なった楽しみ方があり、そしてそれぞれによくできたゲームであるということを、4の発売から10年以上経ってようやく理解できた。これは自分の不徳の致すところ。蒙が啓けて、またひとつゲーマーとしてレベルアップしたとも言えるのではないだろうか。まさにゲームはライフワーク。
 
 なお、バイオハザード4も5も、PS4版ではHD対応画質になり、60FPSで非常に滑らかに動く画面で快適なプレイができるようになっているということも最後に付け加えておく。
 
 ちなみに現在バイオハザード5は、トロフィーコンプリートを目指して茨の道を楽しく進んでいるのであった。