見終わったー!
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/08/11
- メディア: Blu-ray
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中盤でようやく気づいたんだけどエイリアンを借りたアパルトヘイトの話だった。
鈍くてすみません。社会科苦手だったもので。それで舞台がヨハネスブルグなんですね。最初は有名なVodacomビルがあるなーぐらいにしか見てなかったんですけど。
人類よりも高度な科学技術を持ちながらも、難民化してしまったがためにスラムで生活せざるを得ないエイリアンという、人間とエイリアンのパワーバランスの設定は見事。その設定のおかげで人間が(エイリアンに対して)それなりに強いので、物語は自然と「エイリアンを排除する人類」という方向に展開されている。
主人公のディカスは、そのエイリアンと人類の間という位置づけに置かれているのは明らかで、素人目にもわかりやすい人物設定。
さて、監督は一体何を語りたかったの。
ガチガチのSF設定とか関係なしに人種差別に突き進む人類を表しているのか。(一応)共生できる存在であるエイリアンだが、具体的には乱暴だったり姿があまりに醜かったりする彼らに対して本当に偏見を持たずに接することができるのかという問いかけなのか。あるいはエイリアンを排除する側から徐々にエイリアンと共生せざるをえない立場に追い込まれていく主人公を通して、人間であることの重要性の脆さを描いているのか。(実際、主人公との対比として人間を捨てることに肯定的な人物も登場している)
その辺りが散漫ながらもSF的に非常に興味深い設定を持った映画だった。うん、面白かった。
ただ、エイリアンの造形とか、飛び散る人体とか、スラム街の空撮とか、絵的にはあまりに汚らしくて繰り返し見たくならないのがちょっと残念というか……(笑)
あ、主人公がああいう変貌を遂げるということはエイリアンたちは少なからず人間と近い存在という深読みもできるわけで、その辺も面白い。